実践

授業の目標設定の際に守りたい2つのポイント

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 別の記事「学習者から見た目標設定の重要性と具体例」でも書いたように目的・目標を設定することは重要ですが、では実際にどのような観点で目的や目標を設定すればよいのでしょうか。私は、授業の目的・目標の設定においては下記2点について気をつけるべきだと考えています。

  1. 学習者を主語にする
  2. レベルや条件を具体的かつ明確に提示する

以下、具体的に説明していきます。

学習者を主語にする

 「目的・目標から学習者目線で逆算して授業設計すること」でも述べましたが、教室での主人公はあくまで学習者であり、教師ではありません。教室の時間は、学習者のために存在する時間です。であるとすれば、自然、ゴール設定も学習者目線でのものでなければなりません。以下は授業の目標設定として不適切な例です。

「二次関数の解の公式を教える」

「自由落下運動について説明する」

これらは教師が主語になってしまっています。したがって以下のように主語を学習者に置き換える必要があります。

「二次関数の解の公式を記憶する」

「自由落下運動について理解する」

まずはこれがスタートです。ですが、これではまだ目標として不十分です。

レベルや条件を具体的かつ明確に提示する

 主語を学習者に置き換えることで、学習者目線での目標になりましたが、まだ具体性明確さを欠いています。二次関数の解の公式を憶えるだけで十分でしょうか。自由落下運動について理解するだけで十分でしょうか。

ここに「何ができるようになるのか」という要素を具体的に付け加えてゆく必要があります。

上記の例ですと、

「二次関数の解の公式をつかって短時間で解を求めることができる」

「自由落下運動の公式における各要素の文字の意味と関連性を説明することができる。また、公式をつかって物体の自由落下運動の速度を求めることができる」

と具体化・明確化することができます。

 「短時間で」とした箇所は、「◯◯秒で」など、もっと具体的な時間設定をしてもよいかもしれません。が、ともかく条件を持たせることで目標がより明確になりました。「二次関数の解の公式をつかって解を求めることができる」ためには、公式を記憶するだけでなく、実際に活用する演習の経験も必要です。さらにそれを「短時間で」達成するためには、公式を記憶に定着させてサッと引き出すことができ、計算にも慣れている必要があるでしょう。

 2つめの例では、「説明することができる」と結びました。これによって、単に公式の意味と成り立ちを理解するだけでなく、自分の口から再生産できるようになるまで理解が内在化されていなければなりません。

 ここまで具体性をもった目標設定をすることで、はじめて目標をもとに逆算された無駄のない授業設計をすることができます。「二次関数の解の公式をつかって短時間で解を求めることができる」ためには、まず解の公式を憶え、どのような演習をどの程度行う必要があるのかという明確な授業プランが浮かんでくるはずです。「自由落下運動の公式における各要素の文字の意味と関連性を説明することができる」ためには、公式について講義するだけでなく、何かしらのアウトプット活動を必要量行わなければならないでしょう。

 ここでの要点は、「学習者に何ができるようになってほしいのか」ということを、条件レベルを明示しつつできるだけ具体的に言語化することが重要である、ということです。明確かつ具体的な目標が設定されてはじめて、「アクティブラーニングの背景と授業設計の3つのポイント」で述べた授業設計の3つのポイントの2つめのポイントである「目的・目標から学習者目線で逆算して授業設計すること」という項目が活きてくることになります。

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